モノづくり・DIY|日常のコト
【DIYの参考にも】大工が制作する棚の過程をご紹介
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こんにちは!大工の柳原です。
先日、とある現場で洗面所の棚を製作しました。その様子をご紹介します。
今回製作したのは、縦45㎝×横40㎝×奥行き10㎝の棚です。
造作家具を製作する時は、まず木取りを考えます。木取りとは、元は「原木(丸太)から建築に必要な柱や梁、板材などを製材する際、木材の性質や木目、節の位置などを考慮し、無駄を最小限にしながら最適な部材を切り出す工程のこと」です。
今回は丸太ではなく既に製材してある材料ですが、材料の使い方を考えて切り出すことを全般に「木取り」と呼んでいます。

傷がないか、目は美しいか、また、取付位置を考慮して、1番目立つところ、見えなくなるところはどこか、などを考えています。
マスキングテープには縦、横、棚板と部材の名前が書いてあります。私はこの工程に特に気をつけています。
今までに、作ってからこの面の方が綺麗だった、実は傷があったなど数々失敗しています…。
なるべく美しく仕上がるよう、取付後の完成形をこの段階で詳細にイメージします。

次に写真のような部材を板から作っていきます。溝がついてあるのは、背板を止めつけるためです。
溝を途中で止めてあるのは縦の部材で、組んだ時に横から溝が見えないように途中で止めています。

棚の組み方は色々あるのですが、今回は木ダボを埋め込み、ボンドで接着します。
木ダボの穴を空けていくのですが、ダボマーカーという便利な治具があります。

これをダボ穴に差し込んで、縦板と横板を合わせてぐっと押すと、相手の板にダボの位置がマークされます。
わかりにくいですが、赤丸がマークされたところです。

鉛筆で位置を出しても穴を空けることはできるのですが、微妙なズレが生じたり、印の位置を間違えることもあるので、治具を使った方が確実かつ正確にできます。
いよいよ組んでいきます!空けた穴に木ダボを埋め込み、ボンドを付けてクランプで締めます。

上手くいきそうです。

背板を取り付けます。この時、棚が歪んで菱形になっていないか確認します。
ペーパーサンダーで仕上げ、塗装をしたら完成です!小さな棚ですが、私の今までの失敗からの学びが色々と詰め込まれています。
大工さんからすると当たり前の製作過程なのですが、ちょっとした気遣いで仕上がりがより美しくなるということを知っていただきたく、紹介いたしました!DIYの参考になんかしていただけると嬉しいです。ではまた!
正確に90°にカットした背板に棚を合わせて止めつけることで棚の歪みを矯正します。対角を測って同じ寸法か確認したりもします。

ペーパーサンダーで仕上げ、塗装をしたら完成です!小さな棚ですが、私の今までの失敗からの学びが色々と詰め込まれています。
大工さんからすると当たり前の製作過程なのですが、ちょっとした気遣いで仕上がりがより美しくなるということを知っていただきたく、紹介いたしました!
DIYの参考になんかしていただけると嬉しいです。ではまた!
柳原