施工事例|日常のコト

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

こんにちは、デザイナーの宮島です!

この夏、計画を進めていた藤女子中学校・高等学校さまの改修工事が完成しました。

今回は少し長くなりそうなので、「思索編」と「製作編」の2回に分けてご紹介したいと思います。

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

▷小上り畳とデスクが置かれたスペース

今回の計画は、藤女子中学・高等学校の先生からご相談をいただいたことから始まりました。

校内の廊下の一角には、もともと生徒のみなさんが自由に使えるフリーエリアがありました。
ただ、畳のスペースはあまり使われていない。

学校が100周年を迎える節目に、この場所を見直そうというお話が上がったそうです。

「もっと生徒が自然と集まる場所にしたい」
「せっかくなら、学校の新しい“顔”になるような場所にしたい」

そんなご相談をいただき、今回の計画がスタートしました。

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

▷下校後もあまり使われていないフリーエリア

もともとの空間にも、畳やテーブルなど、生徒が過ごすための要素はありました。
ただ、現地を見ながら考えていくと、

「なぜ、ここは使われていないんだろう?」

という疑問が少しずつ湧いてきました。

単純にデザインを新しくすれば使ってもらえるのか
家具を入れ替えれば、人が集まるようになるのか

たぶん、それだけではないんですよね。

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

▷大工さんたちと現調し、納まり等を検討しました

そこで最初に考えたのが、

「生徒のみなさんは、学校で一日をどんなふうに過ごしているんだろう?」
そんなところから考え始めました。

私自身、学生生活からは少し時間が経っているので、こうして改めて考えてみると、なんだか懐かしくもあり、新鮮でもありました(笑

“空間をどうデザインするか”
“家具を何にするか”
もちろんそれも大切ですが、まずは『使う人』のことを考えるところから始めました。

朝、学校に来て教室へ向かう
授業と授業の間に友達と少し話す
昼休みにはご飯を食べて、ぼーっとしたり、友達とおしゃべりしたり
放課後は部活までの時間を過ごしたり、友達を待ったり、少し勉強したり

学校で過ごす一日の中には、授業以外にも本当にいろいろな時間があります。
休み時間・昼休み・放課後ごとに、生徒のみなさんの行動や気持ちを想像していきました。」

「一人でも浮かない」「友達と囲める」「少し長居できる」

滞在する時間や人数、その日の気分によって、必要な居場所も変わってきます。

考えてみれば当たり前なのですが、同じ人でも、そのときによって居たい場所は違うんですよね。

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

▷プレゼン時のイメージCG

「なんとなく、ここにいたい」

そんな、言葉にするほどでもない小さな「気持ち」を、空間で受け止めることはできないかなと考えました。

もともとのフリーエリアには、畳やテーブルなどいろいろなものがある一方で、

「ここでどう過ごせばいいんだろう?」と、少し使い方に迷ってしまう場所でもありました。

そこで今回は、使い方を一つに決めるのではなく、自然と“ここならこう過ごせそう”と感じられる場所をつくることを意識しました。

ちょっと腰掛けられる場所
友達と立ち話ができる場所
少し視線を避けて、一人になれる場所

しっかり勉強する場所もあれば、何もしなくてもいい場所もある。

教室でもなく、ただの廊下でもない
学校と家の、その“あいだ”にあるような場所のイメージです。

こちらから使い方を決めきるのではなく、ここで過ごす生徒のみなさん自身が、それぞれの居場所や使い方を見つけていく。

そんな時間の中から、小さな何かが生まれてくれたらいいなと思いを考えました。

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

▷先生方へのプレゼンテーション

そして、その考えをもとに先生方へ改めてプレゼンをさせていただきました。
完成した空間のイメージだけではなく、

「なぜ、この場所をつくるのか」「生徒のみなさんに、ここでどんな時間を過ごしてほしいのか」
そんな設計の背景まで含めてお話ししました。

反応は上々で、生徒のみなさんへの想いも先生方に喜んでいただけたことが、とても嬉しかったです。

デザインそのものだけではなく、その奥にある考えまで共有できたことで、今回の計画が少しずつ、先生方とも「一緒につくるもの」になっていったように感じました。

前編|「学校の中の居場所を考える- 思索編 」 藤女子中学校・高等学校様|

設計をしていると、どうしても「何をつくるか」に目が向きがちですが、その前に「そこで誰が、どう過ごすのか」を考える。

今回の計画を通して、改めてその大切さを感じました。

そして、考えたものを実際の空間にするには、もちろん図面を描くだけでは完成しません。

次回は、大工さんと一緒に材料を選び、現場であれこれ悩みながらつくっていった『製作編』をご紹介します!
併せて、図書館の改修についても少しご紹介したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

宮島義直

宮島義直

この記事を書いた人

宮島義直

デザイナー

細部にこだわり、とことんやりきる人。インテリアも建築も、興味の幅がとにかく広い。誰にでもフラットに接し、みんなで何かを作り上げる時間に一番やりがいを感じます。

続きは、リノベスランドで

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