一般的には小さい数字ですが、自分にとっても最初は小さい印象でした。ただ、深く深く何度もプランを考えていくうちに、決して小さくてなにも出来ないような敷地ではないということに気づきました。窓の位置、中庭の在り方、近隣や方位などを整理していけば、自分の理想としていたお家ができることがわかりました。

自分の理想は、明るく、外とのゆるやかな繋がり、そして木や自然素材を使い、どちらかというと自然環境に近いようなお家でした。

仕事柄、お客様それぞれの素敵なプラン、造作、素材を知ることが出来ておりましたので、自分の家となるとなにを選択したら良いか、自問自答の時間が増えていきました。その中でたくさんの迷いもありました。迷う度に「自然に近いのはどれか、、、」という拠り所というのか、敢えて主張しないものを選んでいきました。

素材そのものの個性が生きる空間、この言葉に行くつくまでに恥ずかしながら大変な時間がかかってしまいました。

階段については少しこだわらせていただきました。必要最低限の細さ、部材、厚み、、、自分なりに計算をした上で図面を書いていき、たどり着いたのが現在付いている階段ですが、実は当初鉄骨屋さん3社さんに製作を断られてしまいました。理由は「階段はミリ単位で作っていくものですが、この階段ですと溶接したときに少し縮んでしまい精度が出せない」ということでした。理由は納得できましたが、ここはこだわっていきたいところだったので、なんとか職人さんに私の想いをお話ししたところ、それなら！ということで製作が開始しました。

ただ当初の予想通り、ミリ単位で溶接することが難しく、作り直していただくこと計5回。やっとの思いで作ってくださった階段です。