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- カテゴリ
- マンションリノベーション
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- エリア
- 札幌市中央区
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- 家族構成
- 大人2名+子ども2名
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- 築年
- 昭和58年10月31日
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- 建物面積
- 75.93平米(22.97坪)
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- テーマ
- nagi
石田さんの家づくりのテーマのひとつは「空を見ること」。大きな窓から広がる空と山の景色は、四季折々の変化を家族に届けています。夕焼けを写真に収めたり、「今日は月があっちだね」「夏になると太陽がこっちにあがるね」と話したりと、日々の生活の中で自然の移ろいを感じられる暮らしが実現しました。
穏やかさを求めた照明デザインやグレーを基調とした落ち着いた色合いのインテリアは、外の喧騒を忘れ、家族が心穏やかに過ごせる空間に。奥さんの智美さんご自身も「静かで落ち着ける場所にしたかった」と語り、その願いが見事に叶った住まいです。
「なぎ」のように心が安らぐこの空間は、まるで穏やかな湖面のように、家族の日常を静かに包み込んでくれます。
暮らしの中で最も変化を感じたのは、キッチンが家族をつなぐ場所になったことでした。以前の住まいではキッチンが奥まった位置にあり、料理をしている間は家族の声が遠くに感じられ、つい孤立してしまうこともありました。しかし、新しい住まいではキッチンが家の中心に配置され、オープンなデザインにすることで、自然と顔を合わせる機会が増えました。「ただいま」「おかえり」と、当たり前のように交わす一言一言が、かけがえのない温かさをもたらしてくれます。
さらに、家族や友人を楽しませる工夫も。特に、お子さんたちが夢中になっているのはリビングに設置されたハンモックや雲梯(うんてい)。休日には、そのハンモックに揺られながら本を読んだり、ゆらゆらして遊んだり、笑い声が絶えません。お子さんの友人が遊びに来られたときには「わーすごい!」という驚きの声が。
リノベーションで生まれたこの住まいは、ただの居住空間ではなく、家族が一緒に時間を楽しむ場所、そして絆を深める場所となりました。この家がもたらす日々の小さな驚きと幸せは、これからも家族の宝物として続いていくことでしょう。
模様替えが趣味の智美さんは、家の中を気分に合わせて変化させるのが得意。インテリアの配置を変えることで気分転換をされています。お子さんたちは「アレはどこ?」と、まるで宝探しのようにインテリアの新しい配置を楽しむ様子が印象的です。
智美さんのこだわりは、既製品に頼るだけではありません。リネン素材で手作りしたカーテンや、自ら紅茶で染め上げたハンモックロープなど、手仕事の温もりが家中に散りばめられています。季節や気分に合わせて少しずつ変化を加えることで、暮らしに新鮮さを与え続けています。
また、雰囲気づくりにも細やかな配慮がされています。家全体の照明を極力抑え、間接照明やスタンドライトなどの柔らかな灯りだけを使用します。こうすることで、まるでお気に入りの宿のような穏やかな空間が生まれ、自然とリラックスできるひとときを楽しめるようになっています。
初回のご相談時に、お客様から逆プレゼンをしていただいたことがとても印象に残っています。
家づくりをきっかけに、ご自身の暮らしを改めて見つめ直される方は多いですが、石田さんはこれまでの人生を通じて、住まいについてしっかりと考えてこられ、「いつか叶えたい夢」として具体的な暮らしのイメージを大切に温めていらっしゃったのだと思います。
そのイメージは、間取りだけにとどまらず、インテリアや素材にまで幅広くこだわっていらして、最初は私たちも少し驚きました(笑)。でも、そのお話を伺う中で、「それならこんなアイデアもどうでしょう?」と私たちもどんどん提案が浮かび、一緒に夢を形にするためにたくさんお話しできたことは、今でも素敵な思い出です。
お家は一見するとラフな雰囲気ですが、細かい部分にまでこだわりが詰まっているので、何度見ても新しい発見があるような住まいに仕上がったと思います。これからも、この素敵なお家でご家族と楽しく暮らしていただけたら、とても嬉しいです。
デザイナー:宮島義直
初回のご相談時に今まで溜めてきた雑誌の切り抜きをたくさんお持ちいただいたのが印象的でした。
どの切り抜きも世界観があり、感度の高い人であることがすぐにわかりました。
その後の打合せでもデザイナーさんと打合せしているのかなと思うくらい、細部までご自身で検討されていて、こちらはそれにどう応えるかという気持ちでお打ち合わせしていました。
お住まいになってからお伺いすると、そうかこうしたかったんだと思うシーンが各所に散りばめられていて、いたるところに感性の高さがうかがえるお家になっていました。カーテンをラフに仕上げて、その裏にミラーを忍ばせているところなんかは痺れます。
模様替えをよくするということで、あまり固定せずにいろんな配置が楽しめるプランになっています。作り込む楽しさもリノベーションの醍醐味ですが、こんなふうに余白を残したリノベーションも、住みながら楽しめる良さがあるなと感じました。
これからどんなお家になっていくか楽しみです。
デザイナー:宮島明里