ご夫婦揃ってCDがお好きな福田さんご家族。打ち合わせでお会いするごとに増えていくCDたちを格好良く収納できるように、3,000枚のCDを収納することができる棚を制作しました。階段下の空間も無駄なくCDの収納場所として設計し、CDに囲まれた空間はまるでタワーレコードのような秘密基地となりました。

「作業中に他人に背後をとられたくない」というご主人様のひと声から、秘密基地内のテーブルはリビング側に向けて配置することに。秘密基地内のテーブルに合わせてCD収納棚に設けられた小さな穴を開け、キッチンで料理をする奥様、そして学校から帰ってくる子供たちを眺めながら音楽に浸ります。

特徴的な形をしたプラン。一見変形土地のように思われますが、敷地自体は整形した長方形です。あえて敷地に対して変形した建物とすることで、お隣の家が建っても南側からの太陽の光をリビングいっぱいに受けることができるようになりました。

また、敷地に余白をつくってあげることで福田さんの求められていたお庭もつくることができました。お庭には将来ウッドデッキを作り、家族みんなでBBQをするのが楽しみだとおっしゃっていました。

敷地目一杯に建物を建て広い空間をつくることも大切ですが、あえて建物を変形させ余白をつくることも、選択肢のひとつですね。

ご夫婦で共働きなので家事の時間を少しでも減らしたいというご要望から生まれたキッチンバックボード。天板に段差をつけることで、奥様の作業場所が生まれました。

料理をしている合間にちょっとした作業をしたり、子どもの勉強を一緒に見てあげることもできるスペースが生まれたことで奥様の家事もはかどります。またテーブルの前にはマグネットボードを設置することで、お子さんが学校で配られた大事なプリントを貼ったり、家族のスケジュールを管理できる掲示板コーナーとなりました。

とある日の打ち合わせ。

奥様「手すりの間隔が少しずつ変わっているのがいいよね」
ご主人様「それなら等比数列みたいな感じがいいかな」

という会話から生まれた白銀比で構成された手すり。黄金比という言葉は広く知られていますが、白銀比という言葉はあまり聞き馴染みが無いかもしれません。ですが日本人にとって白銀比は意外に身近な比率で、例えば紙のA4、B5サイズであったり、古くは法隆寺の金堂や五重塔にも使われています。美しいものには理由があるといいますが、手すりひとつをとっても美しく見せるためのアイデアが詰まっています。